「いけないfool logic」
シングル曲レビュー
UNISON SQUARE GARDEN の約1年ぶりとなるシングル。19年目にして19枚目のシングルとなる。
今回はアニメ放送に先駆けて9月27日にCDリリース、
そして10月2日のアニメの1話放送日の翌日からDL配信、サブスク解禁となる。
収録曲は
・いけないfool logic
・あまりに写実的な
の2曲。
前作の「カオスが極まる」と前々作の「kaleido proud fiesta」に続いて、シングル表題曲とCD限定のカップリング曲の2曲というスタイル。
CDを買った人に付加価値を。というのは健在。しかし、カップリング曲はライブでもしっかり披露するので私たちファンとしてはマストではある。
まずは
いけないfool logic
作詞・作曲:田淵智也 / 編曲:UNISON SQUARE GARDEN、伊藤翼
「鴨乃橋ロンの禁断推理」
のアニメのオープニング主題歌として制作された今作。
アニメの曲を何度も担当してきたユニゾンだが、これほどポップな曲を提供曲にもってくることはなかったので、純粋に驚きと嬉しさが同時に襲ってきた。
どこかミュージカル曲のような展開があったり、
10% roll,10% romance に似たような小洒落たダンスのリズムみたいなものがあったりと最初から最後までハッピーで飽きさせない曲だろう。
やはり曲タイトルから思い浮かぶのは、
like coffee のおまじない や
mix juiceのいうとおり だろう。
その2曲に通ずる、ピアノやホーンが乗ったポップさや豪華さがある曲に仕上がっている。
また、似た曲調、印象を受けるのものとしては、
君の瞳に恋してない や
恋する惑星 が挙げられる。
この2曲で培ったユニゾンなりのポップに振り切ったロックというものが今回の いけないfool logic に組み込まれているものなのだと私は思う。
全体的な雰囲気としては、先述した4曲と似ており、誰でもノレるような明るいポップロックとなっている。
(全てに共通する点としては同期でバンド3人以外の音が入っている。挙げてきた曲たちの正当進化と言ってもいいのではないかと思う。バンドの3人以外の同期の音は年々厚みを増しており、軽快さの中にも積み重ねられた重厚感を感じる。)
特筆するべき点としては、アルバムの中心的な曲までの存在という立ち位置だったような曲調のものが、今回はシングルであり、タイアップが付いた曲ということにある。
前作、前々作に引き続き、アニメ主題歌という大きなタイアップが続いた中、毎回違った印象をつけることは苦労するだろう。しかし、3曲共に魅力がそれぞれあり、ある種同じバンドとは思えないほどの振り幅があるとも捉えられる。そうした中で今作はポップに振り切っている。そこに今回のタイアップ、新曲に対する一種の意思表示だと感じている。続いてB面の
あまりに写実的な
作詞:田淵智也 / 作曲・編曲:UNISON SQUARE GARDEN
19年目にして初めてのバンド3人名義作曲。
前回の「放課後マリアージュ」がある意味B面曲としての局地に達していたと思うが、今回はバンド名義作曲という名の新しい切り口。
こんなのファンが喜ばないはずがない。
曲としては「ユニゾンがこんな曲作るのか…。」と思わせてくれるような新しい風が吹く一曲。
ギターとドラムのリフはやはり斎藤さん、鈴木さんのいつもと違ったことをしてやろうという気概をものすごく感じた。3人が合同で作ったことによる成果が、また新しい風を生むなんて。19年目のバンドとは思えない。
まさにCDを手にした人だけが聴けるというのに相応しい特別感がある。
10月31日からはこの新曲も加えて、新アルバムツアーの2週目が始まる。もちろん、今回の2曲も披露されることだろう。既存曲と組み合わせて聴き込んでいき、ツアーに備えていきたい。
nextツアーセトリ予想と遅すぎるアルバムレビューも早いうちにあげたいなと思っております。